御上神社御由緒など
御上神社(みかみじんじゃ)は滋賀県野洲市にある神社です。
祭神は天之御影命(あめのみかげのみこと)です。
天照大神の孫に当たる神様で、天孫降臨で有名な瓊瓊杵命(ににぎのみこと)と「いとこ」の関係となる神様となります。
また、天目一箇神(あめのまひとつのかみ)と同一神とも言われています。
天目一箇神は名前どおりひとつ目とされる神様で、鍛冶や製鉄に関わると、高熱の火を見つめて片目を傷めるので、そのような名前が付いたようです。
両者とも、刀鍛冶や製鉄に関する神様です。
刀鍛冶の神様とされることから、刀の霊力で悪霊を倒してくれると考えられ、交通安全や厄除けとつながる神様とされた模様です。
刀を扱う武士たちの尊崇を集め、木曽義仲や源頼朝、豊臣秀吉らが戦勝を願ったという言い伝えがあります。
すぐ近くに「近江富士」との異名をとる「三上山」があり、山そのものが御神体でもあります。
神社の名前は言うまでもなく、三上山から取られたのでしょう。
なお、山頂には古代の祭祀跡が見られます。
御上神社・神域写真
正面鳥居です。
参道です。
近くに国道8号線が走っているのに、参道は静かでした。
楼門です。
国の重要文化財に指定されています。
車のお祓いができるスペースがありましたので、一声かければここまで車を入れることが可能なのかもしれません。
本殿を正面と横から見たところです。
本殿は国宝に指定されています。
なぜか、御神体であるはずの三上山の方角を向いていませんでした。
何か理由があるのでしょうか?
摂社には伊耶那岐命(イザナギノミコト)や天神様(菅原道真公)、天孫である瓊瓊杵命(ニニギノミコト)などが祀られていました。
また、愛宕神社もありました。
鍛冶や製鉄には火を使うのが当たり前ですから、火を司る愛宕神社が合祀されているのは当然ですかね。
国道から三上山を望む。
近江富士とも呼ばれる山です。
ちょっと角度が悪くてうまく撮れていませんが、違う方角から見れば、富士山のような形をしています。
三上山山頂には現在奥宮があります。
おそらく、古代はそちらが本殿だったのかと。
入山料を払えば、山に登ることもできるようです。
御上神社にちなむムカデ退治伝説
この三上山にはかつて大きなムカデが住んでいて、瀬田の唐橋で大蛇に化けていた龍神が、俵藤太こと藤原秀郷(平将門を討った人物)に頼んで、退治してもらったという伝説があります。
この三上山周辺の地域では銅鐸がたくさん出土しているようで、古代に有力な氏族がいたことが推測されます。
おそらく、ムカデというのは三上山周辺にいた氏族で、鉄をめぐってか、それとも鉄器を持った氏族が青銅しか持たない氏族を討つような争いがあったのでしょう。
古代、人と呼ばれたの貴族だけで、それ以外は鬼や土蜘蛛、河童などとして扱われていました。
ムカデというのも、また貴族に逆らった存在なのでしょう。
ムカデ退治の物語は悲しい歴史を伝えているのかもしれません。
もしかすると本殿が三上山を向いていないのは、そのためなのかも……
交通アクセスなど
交通アクセスはJR琵琶湖線「野洲駅」からバスで10分程度です。
国道8号線沿いにあるので、車で名神高速「栗東IC」か「竜王IC」で降りて行くのがおすすめかもしれません。
駐車場は正面に広いスペースがありました。
神社のHPによると、約80台停めることができるようです。
御上神社HP
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