はじめに・蝉丸とは?
「これやこの ゆくもかえるもわかれては しるもしらぬも あふさかのせき」
この歌で知られる蝉丸は950年前後に実在した人物とされています。
小倉百人一首で「坊主めくり」という遊びをするとき、トランプでいうジョーカーのような役割をする札として有名ですね。
近江国(滋賀県)と山城国(京都府)の境目にある逢坂の関と呼ばれる関所で庵を結んでいたと言われており、盲目の琵琶法師であったとされています。
出自は不明ですが、天皇のご落胤という説と名もなき物乞いだったという両極端な説があります。
琵琶法師の祖としても扱われています。
蝉丸神社御祭神とご利益
御祭神は蝉丸と猿田彦神となります。
蝉丸については先述したとおりですが、琵琶法師の祖とされていることもあり、諸芸、芸能、音曲に関するご利益があるとされています。
猿田彦神は天孫降臨の際にニニギノミコトの道案内をしたことから、各地に交通安全の神様として祀られている神です。
逢坂の関は交通の要衝ですから、祀られていて当然と言えますね。
天狗のモデルとされ、芸能の神として有名なアメノウズメと結婚しました。
そのことから芸能に関する神とも言えます。
蝉丸とは相性がいいのかもしれません。
社伝によると、946年が創建年となります。
現在の社殿は1600年に再建されたものです。
蝉丸神社・境内の様子
光の具合でわかりにくいですが、神社の入口です。
ご由緒について記された石碑です。
本殿へはこの急な石段を歩いていくことになります。
数えたところ50段ほどありました。
登ってからわかったのですが、裏手に緩やかな登り坂があり、そちらからも登れます。
足を痛めている方はそちらをご利用ください。
階段を登ったところから本殿側を見たところです。
神楽殿と思われる建物です。
おまつりのときには舞などが披露されるのでしょうか。
本殿です。
芸事の上達や交通安全を祈りましょう。
なお、訪問したときには賽銭箱がなかったです。
24時間警備がされている貼り紙がありましたが。
写真を取りそこねたのですが、隣に小さな摂社があります。
これは皇大神宮(伊勢神宮)の神霊が分祀されたものです。
鉄道開設により、移設されたものです。
おまけ・逢坂の関があった場所を示した石碑です。
古代からこの場所を多くの偉人たちが通ったのかと思うと感慨深いですね。
なお、この近くに「関蝉丸神社」という神社が上社、下社とふたつあります。
そちらは元々猿田彦神などの交通安全の神を祀っていた神社に蝉丸を合祀したものですが、それらを合わせて「蝉丸神社」として扱うこともあるようです。
蝉丸神社アクセス
一番近いのは京阪電車京津線「大谷駅」からです。
駅を降りてすぐのところにあります。
京都からだと三条駅から、滋賀からだと浜大津駅から乗車してください。
車で行く場合は国道1号線沿いから側道に入ればたどり着けます。
神社の階段前と裏手に駐車できる広さのスペースがあります。
なお、この神社のすぐとなりに詩人・野口雨情が「日本一のうなぎ」と絶賛した「かねよ」といううなぎ料理の名店があります。
この店で食事をするなら、いくつか駐車場がありますので、神社にも立ち寄れますね。
<滋賀県神社庁のHP>
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